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書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ。お立ち寄りの際は御足下にご注意くださいませ。 はじめましての方は『はじめに』をご一読ください。
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    金魚鉢のあした。

    ※こころシリーズ、ですがちょっと異色かも。



    「どうしようもないでしょうに」

    彼女は言った。

    「考えたら、答えが出るの?違うでしょう」
    「…そう、ね」
    「結局は堂々巡り、あなたは望む答えなんて得られない」

    あぁ、確かにその通りだ。
    彼女の言葉はいつだって正論で、あたしは少しだけ笑う。

    「ねぇだけど、それでもそばに居たいって思ったのよ」
    「…苦しくても?泣くって分かってる未来が在っても?」
    「そう。苦しくてもいつかに泣いても」

    だけど、だけどね。
    それでも隣にいたいと願ったのは、ほんとう。
    愚かだと笑うだろうか、だけど嘲笑と憫笑を重ねた後、きっと彼女は泣いてくれるだろう。

    「…ばかね」
    「うん、」
    「ばかだわ、本当に」

    触れるのは温度のない指。
    あたしはあなた、あなたはあたし。
    寄り添うのは、並行した世界ではないのだから。

    「…ごめんね」

    そして、分かっていて呟くあたしはきっとずるいのだ。
     
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    海水魚と淡水魚。

    「…げ、」

    「げ、って何」

    「いや…っていうか、何でこんなとこに居るの」

    「…嫌がらせ?」

    「うわ、性格わるっ」

    「ありがと。まぁ別に深い意味はないんだけどね?なんかオリジナル最近くさってるみたいだし」

    「あー…確かに昨日ねー、アニメイト行ってうっかりときめいちゃって、ほんとあたしオタクだなって再認識したところだけど。でもそこまで腐ってないよ」

    「いや、そうでなくて。分かってて意図的に話逸らすのやめろや」

    「…っち、ばれたか」

    「ばれるわ。あたしを誰だと思ってるの」

    「…『世界で一番お姫様』?」

    「うわー、その言い方むかつくんだけどー」

    「お前の言い方もな。つーか、何くさってるって」

    「そのまんまの意味だけど。だってくさってるじゃん」

    「くさってないよ」

    「何言ってんの。へこたれて弱りきって、人に縋っておいていまさら過ぎ」

    「もう回復したよ、ちゃんと元気貰ったもん。…っていうかさぁ、そういう言い方やめない?傷つくんだけど地味に」

    「知ってる。だって傷抉ってんだもん」

    「…さいあくー」

    「あはは。愛だよ、愛」

    「ほんっと歪んでるよね、知ってるけど」

    「オリジナルには言われたくないなぁその台詞。でもそんなあたしが好きでしょー?」

    「はいはい愛してるー。そして何より憎んでるー。でも多分やっぱり大好きー」

    「愛憎渦巻いてるよねー、お互い。…うん、でもやっぱりあたしも大好きで大嫌いで愛してる」

    「そんなもんでしょ?っていうか普段からそうやって素直に言ってればまだ可愛げがあるのに」

    「…それ、オリジナルが言うの?」

    「うん(しれっ)」

    「うわー、う――わ――」

    「え、何その大ブーイング!?ちょっと凹むんですけど」

    「ふはははは凹め!べっこべこにしてやんよっ」

    「いらんわ!つーかいい加減帰ってこいっ!」

    「あ、そだね帰る(きぱっ)」

    「…いつも思うけどその変わり身の早さもうちょっとどうにかなんないの…」

    「なんないよ。だってオリジナルが望んだんでしょ?」

    「…はいはい。ほら、戻っておいでよ?『あたし』」

    「はいはい。ただいま、『あたし』」

    裏側の淡水魚。

    これは、妄想です。


    「…えっと、はじめまして?」
     
    「そうだねぇ、たぶん」

    「何て呼べばいい?っていうか、あるの?名前」

    「さぁ?まぁ便宜上『心』で良いんじゃないの?」

    「うわ、安直だ」

    「しょうがないでしょー、実際そうなんだから」

    「良いけどさぁ、別に。あ、ねぇいっこ聞いていい?」

    「ん?」

    「実際のところ、どう思ってる?」

    「…何を」

    「分かってるくせに。だってキミあたしの心でしょ?」

    「だったらそっちだって分かってるはずだよ?あたしはキミの一部だもん。っていうかオリジナルはそっちだし」

    「あ、そうなの?体の方がオリジナルなの?」

    「え、そうでしょ。だって心が死んでも体が動くことはあるけど、体が死んだら心も同時に停止でしょ?」

    「えー、幽体離脱とかしないの?魂とか、輪廻転生っていう考えは?」

    「だからぁ、幽体じゃんそれは。あたしは心。魂とは別物なんだって」

    「そうなんだ、知らなかった。え、じゃあ生まれ変わりとか霊魂不滅はナシなんだ?」

    「だってオリジナルは信じてないでしょそういうの」

    「うん。だって仮に生まれ変わってもそれは『あたし』じゃないし」

    「つまりはそういうこと。あたしは『今の』オリジナルの心なの、オリジナルを構成する物質が消えたら一緒に消えるよ。オリジナルが原型だから、オリジナルが心をこめて信じていない現象はあたしには適応されないし。得意でしょ?『あたしの世界』理論」

    「得意っていうか、まぁイイや。えっと、あたしが存在するのはあたしの世界だから、あたしであるキミもあたしの世界理論が適応されるんだよね?」

    「そうだよ。あたしはキミ、つまりオリジナルありきの心。オリジナルと一緒にオリジナルの世界で生きてるの」

    「…よくわかんないんだけど。とりあえずあたしが死んだら一緒に死んでくれるってこと?」

    「だね。…え、オリジナルってそういうのが趣味なの?あたしが死んだら死んで、みたいな」

    「いや、別に?でも三枚の蛇の葉とか結構好きだったな、グリム童話の」

    「良いけどさ別に。うん、そうだね一緒に死んであげる」

    「あはは、それは心強い。あ、でさぁ結局質問の答えは何なの」

    「え?あぁ、実際のところってやつ?だからさー、あたしはキミの以下略」

    「略すなし。良いじゃん教えてくれたって」

    「やだよ。っていうかオリジナルが出した答えが正解なんだって」

    「ねぇそれ認めてんの投げてんの?投げてるよね丸投げかお前」

    「…あ、そろそろ帰るわ」

    「答える気ゼロか貴様…って、え、どこに?帰る場所あるの?」

    「失敬な。そりゃ、オリジナルの中に帰るよ?ていうかそれ以外行くトコないし」

    「あ、そっかキミあたしの心だもんね。ごめんねー、こんなんの中に閉じ込められて。しんどいでしょ」

    「まったくだよ」

    「…そこはもうちょっと敬意を払おうよあたしオリジナルなのに一応」

    「あはは、何『愛してるよ』とか言ってほしかった?」

    「やめてよ気持ち悪い。ほら早く帰れっ」

    「はいはい。じゃあまたね?『あたし』」

    「あーうん、お帰り、『あたし』」

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    1990/10/10
    職業:
    学生。
    趣味:
    物書き。
    自己紹介:
    動物に例えたらアルマジロ。
    答えは自分の中にしかないと思い込んでる夢見がちリアリストです。
    前向きにネガティブで基本的に自虐趣味。

    HPは常に赤ラインかもしれない今日この頃。
    最近はいまいちAPにも自信がありません。
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