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書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ。お立ち寄りの際は御足下にご注意くださいませ。 はじめましての方は『はじめに』をご一読ください。
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    溺れる魚たち。

    「考えすぎ」

    「分かってるよ」

    「オリジナルはなんでそう話をややこしくしちゃうんだろうね?」

    「そんなのあたしが知りたい」

    「最悪のパターンばっか考えてない?」

    「…その方が傷つかないで済むじゃない」

    「でもしんどいよ」

    「良いんだよ」

    「苦しいじゃん」

    「頑張ってよ」

    「…そりゃ、頑張るけど。オリジナルがしんどいだけだよ結局」

    「…それも、分かってる」

    「…辛いね」

    「…あたしなんかが、辛いって言う権利、あるのかな」

    「分かんないけど。今は良いよ、あたししか居ないんだし」

    「……つらい、よ」

    「うん、」

    「しんどい、苦しい、泣きたい」

    「…うん」

    「頑張る力だって、とうに無くしちゃった」

    「うん…」

    「でも、いちばん苦しかったのはね、」

    「なに?」

    「…優しく、されたとき」

    「…」

    「ごめんね、って。そんな価値、ないのに。優しくしてもらえる価値なんて、あたしにはないのに」

    「…オリジナル、」

    「なんでだろうね。お前なんかいらないって言われた方が、いっそ楽だったのにな」

    「…そうだね」

    「頑張るなら応援するって、当たり前みたいに言われて。失望されて見放されても仕方無いはずなのに、なんでそんなこと言えちゃうんだろ」

    「…」

    「優しくされたら、どうしたらいいのかわかんないよ」

    「…オリジナルは、」

    「うん?」

    「頑張りたいの?」

    「…わかんない」

    「だろうね」

    「…出来ることなら、頑張りたいけど。あたしに出来るのかなって」

    「やるしかないんじゃないの?」

    「そうなんだろうけど。頭の中ぐしゃぐしゃで、まとめられないんだ」

    「…うん、」

    「…もうちょっと、考えるよ」

    「そっか」

    「相談するし、いろいろ調べてみる」

    「…うん、それが良いと思うよ。そしたら、納得できる道があるんじゃないかな」

    「…ねぇ」

    「どうしたの?」

    「あたしが、身の振り方とか、方向決めたら」

    「うん」

    「…また、一緒に、頑張ってくれる?あたしと」

    「オリジナル?」

    「どっちにしたって今までよりずっとしんどいと思う。それでも、ついてきて、くれる?あたしを、諦めないでいてくれる?」

    「…当たり前だよ」

    「…ごめんね、」

    「なんで謝るの?…あたしとオリジナルは、運命共同体って言ったじゃない」

    「ごめ、ん。ごめんね…」

    「…ばかだね、オリジナル」

    「…ひどいな」

    「一緒にいるよ、諦めないよ。今までだってそうだったじゃない」

    「う、ん…」

    「裏切らないよ、最後までずっと、オリジナルの隣に居る」

    「…ありがとう、」

    「大丈夫だよ、オリジナル。朽ちるときは一緒だって、言ったでしょう?」

    「…ふふ、そうだね。始まりも、終わりも一緒だったね」

    「そうだよ。それだけ、忘れないで」
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    銀色フィン。

    「オリジナルは、どんな人がすき?」

    「…それは、あれだよねラブ的な意味だよね?」

    「あ、うん。そうそうラブ的なほう」

    「えー…そうだなぁ、あたしに幸せを願わせてくれる人?」

    「おや。…えっと、『この人が幸せになってくれるといいなぁ』ってやつ?」

    「そうそう。『世界中がこの人に優しく在ればいい』って思わせてくれる人」

    「わー…まさかオリジナルからそんな乙女な答えを聞くとは思わなかった…」

    「むっ、失敬な。…あ、でもねぇそれとおんなじくらいあたしに不幸を願わせてくれる人がいい」

    「…は?」

    「いや、だからね?幸せになって、って思うのと同じくらいの重さで『世界中に見放されてあたししか縋る人が居なくなればいいのに』って思わせてくれる人が良いなって」

    「…え?…いやいやいや、ちょっと待ってそれ可笑しくない?」

    「えー、可笑しくないよ別に」

    「いや、だって、なんで?幸せになってほしいんじゃないの?」

    「なってほしいよ?だけどあたしの為に不幸になってほしいの」

    「…オリジナル、それ、すっごい、歪んでる」

    「あはは、そうかもね」

    「しかも不幸に『する』んじゃないわけね?あくまでも世界にそう『させる』なんだ…」

    「うん?だって、あたしにそんな価値ないもん」

    「…えっと?」

    「あたし如きがだれかを不幸にしたり、ましてや幸せになんか出来るわけないじゃない。あたしにそんな価値があるとは到底思えない」

    「…うわぁちょう無価値主義」

    「だって、あたしはきっと存在しないし、世界の中に。つーかあたしが想ったところで相手の幸不幸が左右されるわけないし?だったら思いっきり投げっぱなしジャーマンで世界に賭けた方がマシ」

    「なんていうか…壮絶、だよね」

    「そうでもないよ。まぁもうちょっと普通の回答するなら、あたしのこと考えててくれる人、とかかなぁ」

    「あー…うん、普通だ」

    「でしょ?あんまりあたしは何か伝えるの上手くないから、理解して欲しいなーっていうのもあるんだけど」

    「けど?」

    「ほら、あたし基本的に依存気味でしょう自覚済みではあるんだけど」

    「そうだねー、基本的にオリジナル何か好きになると結構それ次第ってなること多いよね」

    「そうそう。だからあたしは必然的に相手のことたくさん考えるわけじゃないですか」

    「そうですねぇ、必然ですよねそれは」

    「うん、だから相手にも同じことしてもらいたいの。あたしのこと考えて、あたしのことで吐くほど悩んで。あたしが付き放したら、絶望して泣けばいいなーって」

    「…ちょっと待って結局そっち?乙女的なアレじゃないの!?」

    「え?これって乙女的なアレでしょかなり」

    「ちょ、お前自重しろオリジナル!なんでオリジナルってそんな極端にドSでドMなの!?」

    「えー…そうでもないって」

    「そうでもあるよ!」

    「あれだよ、それくらいあたしのこと愛して?みたいな。歪んでてもいいから、あたしに価値をくれる人じゃなきゃいや」

    「もうちょっとマシな価値の欲しがり方ってあるでしょうに…」

    「あはは。…そうだね、あたしが居なくちゃ世界なんて、って思ってくれたら最高だな」

    「あーもー、ほんとオリジナル自重」

    「えー?なんでー?良いじゃん別にー」

    「もー、ほんっとオリジナルは歪んでる!」

    戯れ水槽。

    「なんか…アレだよね」

    「アレ?どれ?」

    「不意打ちで投げかけられる温度のある言葉って、やけに心にしみるよねっていう話」

    「あー…オリジナル弱いもんね、そういう一言に」

    「なんかね。怒鳴られても泣かなかったのに、慰められたり労られたりした途端に泣けてくるのは何でかな、って」

    「んー…まぁその答え自体はさして難しいものじゃないと思うんだけど」

    「けど?」

    「…これ言うと、オリジナル怒るかなー、とか」

    「…や、別に怒りはしないと思うよ?」

    「あーうん、つーかオリジナル基本的に怒らないしね。まぁほら、何て言うか」

    「なんだよ」

    「…オリジナルは外かっちりコーティングしてるけど、内側は柔いからって話」

    「…ごめん、何の話?」

    「つまりは心の鍵の問題?開けて、内側晒しちゃうとダイレクトに何でも伝わるんだよね」

    「…それは、分かるけど」

    「…錠前ってさぁ。外からは鍵ないと開かないけど、内側からだと普通に外せば開くわけじゃない」

    「あぁうん。っていうかそれ中から開かないとどっちが表か分かったもんじゃないよね?」

    「うん、だからそういう事」

    「へ?」

    「オリジナルは外からの攻撃には耐えられても、内側から触れられるとどうしようもなくなっちゃうんだよ」

    「…えっと、」

    「いつも、自分のこと最低って嘲笑って、それが本当なんだって信じて。その言葉でオリジナルは、心を…あたしを、守ってるんだよ」

    「だって…最初から最低ラインに置いとけば、これ以上傷付かない気が…傷付けない気が、するんだもの」

    「ん、分かってるよ。…自分は最低って思うことは、オリジナルにとっては鍵にあたるんだよね。だから外側からの攻撃じゃその鍵は開けられない。だってオリジナルは傷付く用意をしてるんだから」

    「…うん」

    「来るぞくるぞって構えてると、ぶれないもんなんだよねぇ当たり前なんだけど」

    「まぁそのために構えてるわけですし」

    「だけど、思いもよらなかった言葉は不意打ちで鍵を開けちゃうわけ。否定し続けた自分を、誰かに優しくされることで肯定されるの。そうするとオリジナルはもうパニックで、どうして良いか分からなくなるんだと思うよ」

    「…?」

    「ほら、ずっと暗いとこに居ると、明るいとこに出ると眩しくってどうしようもないじゃない。あんな感じ。認めてもらえるわけがない、愛してもらえるわけがない。そう思い込んでたのに、いとも容易くその鍵が外されて」

    「ある意味でそれってアイデンティティの崩壊だよね」

    「あ、近いかも。『否定し続けてやっと見つけたあたしを、壊されちゃったらどうしたら良いの?』って。逆の意味でのプライドの崩壊みたいな」

    「…普通、逆だよね。自分すげぇ、って思ってたのを壊されてあわあわするんじゃないの?」

    「うん、普通はそうだと思うよ。オリジナルは自虐的すぎるんだよ」

    「…弱い、のかなぁ。あたしは、」

    「んー…弱いっていうか。仕方ないんじゃない?ウィークポイントをつつく鍵は誰にだってあるよ。オリジナルの場合はそれが誰かの優しい言葉ってだけで」

    「…優しい言葉が鍵、ね。なんとなく、分かる気はするけど」

    「否定し続けて突き放した自分に、暴動起こされてるんだよ、きっと。もっとちゃんと愛してよ、大事にしてよってね」

    「…きみが言うとなんか、複雑なんですけど…」

    「あはは。これがあたしなりの愛し方なのー」

    「うわっ、すっごい歪んでるよそれ!」

    「何よぅオリジナルこそー。傷付けるのが守るのと同義なんて、不器用もいいとこだって」

    「んー…それはアレだよ、あたしだからだよ。他人にはやらないよ…多分」

    「多分か。…まぁ、お互い依存症だしねぇあたし達」

    「ねー。甘えてるのは百も承知なんだけど」

    「良いんだよ、それで。だって結局さぁ、最終的にオリジナルを甘やかしてあげられるのはあたしなんだもん。これは誰にも譲れない」

    「…ふふ、独占欲つよいなぁ。さすがあたしの心」

    「当たり前。だってオリジナルはあたしのだもん」

    「もちろん。全部あげるから全部ちょうだい、っていうのが可能なのは、あたし達だけだもんね」

    「そうだよ。オリジナルが望む限り、あたしはずっとオリジナルと一緒」

    「そうだね。きみが願う限り、あたしはずっときみと一緒」

    「…それは、一生?」

    「一生。あたしが終わるまで、ずっとずっと」



    (当たり前に捧ぐ、)

    (一生、の願いと誓いの声)

    電子の海にて。

    「…世界ってさ」

    「うん?」

    「醜いのも本当だと思う。世界平和が云々、とか口に出すまでもなく、手放しに賞賛出来るほどに綺麗なものではないよね」

    「そうだね。それすら常套句ではあるけど」

    「うん、だから世界は醜い、んだとは思う」

    「思う、けど?」

    「それでも、とてもうつくしいのも事実かもしれないなって、ちょっと思った」

    「…ふふ、いきなりどうしたの?オリジナル」

    「んー…別に、どうしたってわけでもないんだけど」

    「うん」

    「っていうか、あたしは何でもかんでも自分の中に答えを求めちゃうし、だから結局ちっぽけな戯言にしかならなかったりもするんだけど」

    「うん、前置きは良いから。長いから」

    「え、ちょ、聞いてよっ」

    「うんはい、それで?」

    「おまっ…!!」

    「だってオリジナル、話しにくいことはめちゃくちゃにぼかすんだもん。ぼかして婉曲して結局よくわかんない感じに遠まわしに伝えるからなかなか察してもらえないんだよ」

    「うぐ…正論ですが」

    「いーい?オリジナル。ふつうはね、そんな風に言い淀んでぼかしてたら分かってなんか貰えないんだからね?ちゃんと言わなきゃ。綺麗にまとめなくても、理論がうまく組めてなくても、ちゃんと届くように言わなきゃダメなんだよ」

    「…分かってる、けど」

    「うん、じゃあ続けて?…ちゃんと、聞いてるから」

    「…うん、そだね。えーと、あのね?…優しいんだなって、思ったの」

    「それは、世界が?」

    「そう。っていうか、優しい人がいるから、世界も優しいんだなって」

    「…うん、分かるけどね言いたいことは」

    「…あたしは基本的に自分が嫌いで、大嫌いで。自分は最低だって思ってるし言ってもいるし。だからまぁ真っ先に切り捨てられるべきはあたしでなきゃおかしいと思ってもいるんですよ」

    「オリジナルはほんとに自虐趣味だなぁ…」

    「あーうん、自覚はしてる。…でも、さぁ」

    「うん?」

    「そんなあたしでさえ、許してくれた人たちがいるんですよ」

    「…うん、そうだね」

    「偽善者って言葉がずっと引っかかってて、言葉に対してほんとに臆病になってて。あたしには誰かの涙に寄り添う資格なんてないし、あたしの言葉なんてきっとみんな嘘に聞こえるんだろうなって思ってたの」

    「…うん」

    「だけど届いたんだよ、拾って、くれたんだよ。…ほんとに、ほんとに嬉しかった。あたしの言葉はまだ、聞こえているんだなって」

    「…彼らが居るから、世界は優しい?」

    「そう。彼らのいる世界だから、とてもうつくしいと思う」

    「ふふ、そうだね。…世界の醜さを挙げ連ねることは簡単で、うつくしいと思える瞬間って目をこらさないと見つからないけど」

    「…うん、」

    「だけど、出会えてよかったよね。うつくしいものを何でもなくうつくしいと言えることって、とても素晴らしいと思う」

    「…ちゃんと、返せると良いな。あたしが感じた、うつくしいもの」
     
    「良いんじゃないの?そうやって想えただけで、もう一歩進んでると思うよ」

    「んー…でも、ちょっとだけ。願ってもいいのかなー、とか、思ってみたりとか」

    「…オリジナルはさ、」

    「うん?」

    「いろんなこと考え始めると止まらなくなっちゃうから。自分から問題を難しくしちゃうんだよね」

    「あー…」

    「世界ってきっともっと単純で、素直に出来てて。だけどオリジナルが難しく捕らえるからそう映るだけ」

    「考えすぎってこと?」

    「なにかを悲しいと思うのに、資格とか価値なんていらないんじゃないの?そんなん考え始めたら、誰も映画観て泣けなくなっちゃうよ」

    「えー…それとこれとは話が…」

    「一緒だよ。良いじゃない、悲しいなら悲しいって思っても。誰がそれを偽善って決められるの?」

    「…うぬぬ、それは…そうなんだけど…」

    「だから、良いんだよ。オリジナルはオリジナルの精一杯で、世界を愛せれば、それで」


    (それだけできっと)

    (世界はもっとうつくしい)


    「…そう、だね」

    「願えるなら、その中にオリジナルが居てくれるといいんだけどね」

    「それは、君もね?」

    「あたしはオリジナルが望んでくれるならね」

    「じゃあ、お互いが想えばいいんじゃないの?これ」

    「…ふふ。あたしは君の為に?」

    「そう、あたしもきみの為に」
     

    金魚鉢の向こう側。

    「オリジナルはさ」

    「うん?」

    「勘違いしすぎなんだよ。自分の采配が世界を揺らすって思い込んでる」

    「…まぁそんなに影響力ないことくらい承知してますが」

    「そうじゃなくて。別にそんな気負わなくてもいいんじゃないの、って話」

    「あー…うん、っていうかね?分かってはいるんだよそれくらいは」

    「うん」

    「たださぁ、何かにどうしても責任を負わせたいときってあるじゃない?」

    「確かにある、けど」

    「そういう時にね、誰も責められないならあたしは自分を…あぁこの場合だと、君を?責めるしかないの」

    「なに、それ」

    「だって誰も悪くないんだよ。悪いとしても、それを悪いって感じちゃうあたしが一番最低なんだって思わない?」

    「…」

    「っていうか、あたしが悪いことにしちゃえば楽じゃない。誰も恨まなくていいし、後悔もしない。めんどくさいでしょ?そういうの」

    「…オリジナル」

    「なに?」

    「オリジナルのそれは…優しさなんかじゃないよ。気付いてる?」

    「…うん」

    「あたしが悪いって引き受ける振りして優しい振りして、ホントは、すごく冷たいこと言ってる」

    「うん、」

    「狡いよ、そんなの。全部被る代わりに全部やめちゃうなんて、オリジナルは狡い。他人のことを、狡いなんて言えない」

    「うん…そう、だね。自覚はしてる」

    「あたしが全部悪いのって耳ふさいで、目を閉じて何もかも拒絶して。そうまでして他人と距離とって、一体オリジナルは何を欲しがってるの?」

    「…」

    「オリジナル…?」

    「んーと、ね」

    「?」

    「…あいしてるから、って言ったら怒る?」

    「…」

    「大事なの、あたしのいない世界が。ばかみたいだって自分でも思うよ?でも後悔とかみんな背負うからこのままでって、思っちゃうんだよ」

    「…」

    「泣くのが辛いって捨てられるなら、とっくに捨ててるよ。だって、もうぼろぼろだしね」

    「…知ってるよ」

    「…うん、」

    「知ってる。オリジナルが大切だって言って笑うもの、みんな知ってるもの。どんなに大事か、それのためにどんなに泣いたか。それでもまだそれを、どんなに大好きって思ってるかも、みんな」

    「だったら、」

    「うん、だから…もう、もう…良いんだよ」

    「?」

    「分かってるから。だから…赦してあげる」

    「え、」

    「決めたんでしょう?後悔も矛盾も抱えて、泣きながらでも必死に足掻いて。わらうこと、決めたんでしょう?オリジナル」

    「…うん」

    「だから、赦すの。だって…あたしは、オリジナルの味方だもの…」

    「…ありがとう」

    「良いよ、もう。…運命共同体だもんあたし達」

    「…怒ってる?」

    「ううん。ただ仕方ないなって思ってるだけ。結局、あたしとオリジナルだもんね」

    「そうだね。…結構長い付き合いだよね?」

    「そりゃ生まれた時から一緒だからね」

    「…じゃあ、ついでに我儘ひとつ言っていい?」

    「うん?」

    「…もうちょっとだけ、あたしに付き合ってくれる?」

    「…ちょっとと言わず、一生でも」

    「…あり、がと」

    「…じゃああたしからもひとつ忠告」

    「なに?」

    「…別に、あたしは良いの。オリジナルがそれで良いって言うなら」

    「…」

    「ただね、覚えておいて。オリジナルはあたし、あたしはオリジナル。オリジナルがあたしを責めるっていうのは、必ずオリジナルに返ってくるんだよ」

    「…うん、」

    「オリジナルがあたしをあいしてるって言うのと同じくらい、あたしもオリジナルが好きだよ」

    「うん…」

    「あなたはあたしの大事なオリジナル。だからあんまり傷付かないで?あたしのこと責めてもいい、だからちゃんと、自分のこと抱きしめて」

    「…うん、ありがとう」

    「ううん…ごめんね。こんな風にしか、守ってあげられなくて」

    「充分だよ。あたしこそ、大事にしてあげられなくてごめんね」

    「良いよ、分かってるから」

    「…ありがと」

    「ううん。…じゃあ、そろそろ戻るね」

    「あ、うんそうだね」


    (ささやかな「あいしてる」を)

    (かけがえのない、あなたへ)


    「ただいま、」

    「…おかえり」

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    HN:
    祈月 凜。
    年齢:
    35
    性別:
    女性
    誕生日:
    1990/10/10
    職業:
    学生。
    趣味:
    物書き。
    自己紹介:
    動物に例えたらアルマジロ。
    答えは自分の中にしかないと思い込んでる夢見がちリアリストです。
    前向きにネガティブで基本的に自虐趣味。

    HPは常に赤ラインかもしれない今日この頃。
    最近はいまいちAPにも自信がありません。
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