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書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ。お立ち寄りの際は御足下にご注意くださいませ。 はじめましての方は『はじめに』をご一読ください。
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    おとのない、

    立ち止まって動けなくなって、行く道も帰る道すらも忘れてなくして。
    立ち尽くして何一つ分からなくなって、自分がどこに居るのかも思い出せなくて見つけられなくて。

    途方にくれて。
    ただ、ただ、くちびるばかりが震えて。
    こぼれた息が、意味をなさずにとけていく。

    音も出ないよ。
    声なんて知らない。
    助けてって縋る方法も、とっくの昔に亡くしちゃった。

    怖いよ、さむいよ。
    くるしい、誰か助けて。

    さまよう手。
    ぬくもりをうしなってから、もうどれくらい?
     

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    独り言。

    ――りりん。

    「…死にたいって、思ったのは本当だよ」

    ――ちりん。

    「…でも、でもね…同じくらいの強さで、生きたいって思ったのも本当なんだよ」

    ――りん、りりん。

    「生きていたいよ。…此処に、いたいよ」

    ――ちりりん。

    「本当は、本当は…必要だって、言ってほしかったよ」

    ――り、ん…

    「…ごめん、なんでもない。今の、忘れて」

    ハイドとダンス。

    「…頭おかしいんじゃないの」

    「え、いやだって思わない?ケータイ手に持って橋の上歩いてると『あー、やばいこっからケータイぶん投げてみたい』とか」

    「思わない。絶対思わない。っていうかケータイ投げたら困るの自分じゃん」

    「あ、うんそうなんだけどね。だから『いやいやいや落ち着け投げちゃいかん投げちゃ』って思うんだけどさ、でも気を抜いたらぽーいっと投げ捨てそうで、そのドキドキ感?ってあるよねーって」

    「ねぇよ。何それあんた二重人格?投げたいけど投げないで我慢してるのが表で、それを聞きつつ投げそうになってるのが裏?何で自分の中に別人格飼ってるのよ」

    「違うよ。飼ってないよ。でもない?そういうの。やっちゃダメなのにやってみたくて、だめだーって言い聞かせてるのにやりそうな自分がいるの」

    「で、それがちょっと楽しいと」

    「そこまでは言ってないっつの」

    「あー…でもあれだよね。犯罪者になりそうだよねそれ。今はちゃんと押さえてるけど、タガ外れたらやばいって。裏人格暴れたら止められなくない?」

    「大丈夫だよ、犯罪者になる気はない」

    「そう?じゃあジキルとハイド?」

    「だからー、二重人格説から抜け出してよいい加減。別にそんなんじゃないし」

    「でも普通そんなこと考えないから。ケータイは投げないよ困るし」

    「まだ投げてないってば。ほらちゃんとここにある」

    「とりあえずお前は変だ。以上、会議終了」

    「え、今の会議だったの?っていうか終了かよおまえ」

    「あー、お腹すいた。なんか作って」

    「ちょ、横暴だなオイ!?」

    夜に透き通された絶望。

    「…さびしい、」

    がらんどうの部屋に風の音だけが響くよ。
    さびしい場所だ、まるで此処は全てに見放されてしまったようだね。

    「…寂しいよ」

    貴方の世界に僕は存在しなかった。
    取るに足りない、ちっぽけな端役にすぎなかった。
    友人?そんな大それた役にはなれなかった。
    ただの通行人。
    貴方の人生に翳りも、祝福も、言葉すら残せなかった。

    皮肉げに口の端を歪める。
    ひゅるり、隙間風の音が耳に冷たかった。

    「…言ってくれればよかったのに」

    貴方から「お嬢さん」を奪う気など毛頭なくて。
    たった一言告げてくれさえすれば、僕はこの密やかな恋心に一生蓋をできただろう。
    そして笑って貴方の恋路を応援できたに違いない。

    ――だって、絶対的に大切だったのは恋よりも君でした。

    「…言ってくれれば、僕に相談してくれればよかったのに」

    それとも、相談もできないほどに僕は君に信用されていなかったのですか。
    だとしたら何て淋しい話だろう、僕はずいぶんと尊大な自惚れをしていたらしい。

    「…まるで道化だ」

    あぁそうだ、考えてみれば最初から可笑しかったんだ。
    僕が君の世界に存在するなんて、そんな夢を見てしまったところから。
    分かっていたじゃないか、なのに僕はくだらない夢を見た。
    君に必要とされるなんて、ご都合主義の甘い夢を。

    「…まだ、間に合うだろうか」

    小さな文机の引き出しには、一度も使っていない小刀があった。
    そっと鞘から出して、月明かりに透かしては微笑む。

    過去は変えられないけれど。
    未来は変わることを知っていた。
    たとえ今まで存在を残せていなくても、これから先君の心に根を張ることは可能だろうか。

    僕はひどい人間だ、君が大事で、君の心が大事で。
    だけど大事な君に、僕のことを一生刻み込みたいと願うのだから。
    存在していたかったんだ、願えるならば君の世界の中に。

    冴々と冷たい小刀を、首筋に当てて。
    隣の部屋から漏れ射る明りに、少しだけ目を細めた。

    「…どうか、ずっとずっと(憶えていてください)」

    銀色の魚は、赤い川に溺れた。

    しずくのきみ。

    「ら らら ららら ら」

    うたう。
    こぼれる。
    透明とは言い難い、だけどやわらかな声。

    「らら ら ららら らら」

    吹かれて、消えて。
    舞い上がる うたごえ。
    とどく先なんてない。
    聴いている人もいない、たった一人のアリア。

    「るらら らら らら らら」

    だけどそう、もしも聴こえるなら。
    あなたにだけ届いてほしいと思うのは、間違いか。

    「るらら るらら ららら…」

    おわらないそのうたは。
    あなたにとどけ アイ ラブ ユー。

    (こいのうた)


    +++


    部屋中に散乱した、紙飛行機。
    真っ白なそれは床にうず高く積って、季節を違えた雪にも見える。
    そのただ中、ひとりぼっち。
    背中を向けているのは だぁれ。

    「…」

    ひとつ。
    手がひらりと踊って、あたらしく紙飛行機を投げる。

    「…」

    ふたつ。
    手元の便箋をちぎっては、紙飛行機を作って、飛ばす。

    「…」

    みっつ。
    飛んだ紙飛行機は頼りなく舞って床に落ちた。

    「…」

    よっつ。
    飽きることなく増えていく紙飛行機は、いつの間にか部屋中を埋め尽くして。

    在る時誰かがそれは何かと尋ねたことがあった。
    彼女は笑って恋文だと答えた。

    「あなたが すき です」

    ひらり。
    彼女の手は何度でも紙飛行機を投げる。

    (こいぶみ)


    +++


    こぽこぽ、あたたかな湯気が立ち上る。
    漂うのはあわい紅茶の香り。
    真白いカップにたかく注がれていく。

    「―――♪」

    調子っぱずれなはなうた。
    メロディも何もあったものじゃない。
    だけど微笑んだ彼が奏でるのは、ひどくひどく楽しそうな。

    「――♪」

    きみがすき、きみがすき、きみがすき。
    溢れる想いを紅茶に込めて、いとしい君へと捧げましょう。

    (こうちゃ)

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    1990/10/10
    職業:
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    物書き。
    自己紹介:
    動物に例えたらアルマジロ。
    答えは自分の中にしかないと思い込んでる夢見がちリアリストです。
    前向きにネガティブで基本的に自虐趣味。

    HPは常に赤ラインかもしれない今日この頃。
    最近はいまいちAPにも自信がありません。
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