とけてしまえたら良いのに。
言葉のように、歌声のように。
誰かの為だけに捧げられたそれらになって、あたしは消えてしまいたい。
短い距離を。
一秒にも満たない距離を。
舞うように進んで、鼓膜を震わす。
あなたの心をも揺らして、しずくになって広がりましょう。
そしてそのまま眠るのです、永遠に目醒めない眠り姫。
沈むように、目を閉じて。
誰かの心の奥底、あるいは記憶の片隅。
もしくはとどまることもなく、こぼれおちていく泡になり。
あぁそうね、もしも願ってもいいのなら。
赦してもらえるならば、あたしは。
言葉になったあたしは、あなたの胸の中にとどまりたい。
愛おしい響きでもって届けられた、祈りとなって願いとなって。
届いた先、あなたを微笑ませることができたらいいのに。
(それはたぶん、明日の為の、)
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