自分でつくったお題を自分で消化してみるという羞恥プレイ企画。
「そうだねぇ、君になら膝をついても構わないとは思うけれど」
「…あたしがそういうの嫌いって、知ってるくせに」
「もちろん知っているけれど。いつまでも可憐なお姫様じゃいられないんだよ」
「分かってるわ」
「さぁ、ご命令を女王陛下?」
(41 麗しき女王陛下に捧ぐ)
「へいへーいっ★ほら早く準備してっ」
「ちょ、何いきなり人の部屋に乱入しておいていったい何だっていうのさ!?」
「ほらほら早くー、出かけるんだから」
「はぁ?ど、どこに…」
「良いから早くっ!こんないい天気なのに閉じこもってたら腐るよっ」
「それは嫌だなぁ…あぁもう分かったよ、行けばいいんだろう行けば」
「そーゆーこと。はい出発!」
(3 穏やかな春の午後を叩き壊したのは)
真白い指先、まるで神様の芸術品みたいな。
冷えたそれを取り上げると、君は不思議そうな顔をする。
「…なぁに、」
「んーん、別に」
この手が何を抱えているかは、僕だけが知っていれば良い。
(36 砂糖菓子の指先にキスをひとつ)
つんと顎をあげて、優美に微笑んで。
少しだけ勝気な眼差し、含みを持たせて扇をひらめかせ。
軽く肩をすくめればほら、纏う視線が熱を帯びる。
だってあたしは御姫様、可憐で気まぐれな蝶々よ?
誰か捕まえて御覧なさい、そう易々と落ちてはあげないけれど。
――はやく来て、あたしだけの王子様?
(47 舞踏会は戦場)
「…どっか、いっちゃえば」
冷たく強張った声。
俯く君の表情は読み取れないけれど、なんとなく想像はつくんだ。
「居なくなっちゃいなさいよ」
言葉とともに、僕の服の裾を掴む指先に力がこもる。
意地っ張りな可愛い人、そんな風に縋られたらどこにも行けないじゃないか。
(14 どうか突き放してよってすがる指)
「いっけー!頑張れーっ!!」
「ちょ、あんた今走ってるの敵クラスでしょぉお!?」
「知らなーいっだって二組には彼が居るんだもーんっ」
「あぁもうこの色ボケがっ!さっさと告白してしまえっ」
(五月 体育祭?あの人のクラスを応援しますけど何か)
「せーんせ、夏休み補習はやらないの?」
「あー、どうしようかなって思ってる。忙しいだろなんだかんだ言って夏休みって」
「まぁまるっきり暇とは言いませんけどねぇ…」
「だから希望制にしようかと。俺大体夏休みは学校いるし」
「…じゃあセンセー、補習デートなんて如何です?」
(八月 センセイ、補習デートのお誘いです)
「微温湯なんて望んでないんだろ?」
「そうね」
「僕らは全部知ってしまったんだ。だったらもう、この世界にはいられない」
「…そう、ね」
「往こう?二人で。…愛の逃避行なんてロマンチックだろう?」
(08 シャングリラを捨てろ)
「…ねぇあのさ一つ聞いてもいいかななんで君そんなジェイソン(@十三日の金曜日)ばりのチェーンソー持ってるのかな怖いんだけど!」
「いやちょっと桜の木を切ってこようかと」
「何言ってるんだお前っていうか桜は切っちゃダメだろ桜は」
「や、だって桜があるから別れが辛いわけで…ほら桜があんな風に淋しそうに散るから切ないんだよ」
「言いたいことは分かるけどそれはいけません。大丈夫だよ桜が散ろうが咲こうがあたしが居るでしょ!?」
「…え、あ、う?」
「心配しなくても縁切ったりしないっつーの。だかあらほら早くチェーンソー仕舞えこのジェイソンもどき」
「…(なんだろ、エスパー?)」
(43 日本中の桜の樹を一本残らず切り倒してしまいたい(だって別れが悲しいのはあんな風に桜が切なげに散るからだ))
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