どうしよう、考えたら意図せず喉がひくつく。
熱くて痛い塊がせり上がるのを無視していたら、今度こそ涙が滲みそうだ。
ぼろぼろの腕をぎゅっと握って、泣かないで泣かないでと必死に唱える。
「…いた、い」
嗚呼。
たすけて、なんて言える訳ないのに。
だって、あたしの敵はあたしの中にしか居ない。
記憶に怯えるなんてばかな話で、なのにあたしの脆弱な精神はぐらぐら迷走を始める。
「やめて、」
やめて、やめて。
お願いだから。
苦しいよ怖いよ、縋れない声ばかりで惨めになる。
じっとうずくまって自分を滅茶苦茶に傷付けたい衝動に耐える。
ひゅるひゅる喉からもれる息は、まるであたしのじゃないみたい。
「…あ、はは…っ」
奇妙にこぼれた笑い声。
「ふふっ…あは、はっ…」
嗚呼、嗚呼。
誰でも良いから、お願い。
あたしのこと、壊して。
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