※彼と彼女。
久々天使シリーズ。
耳に届く、冷やかな足音。
「…ねぇ、」
彼女が意味のある言葉を僕に告げるより早く、僕の瞳はくるりと巡って彼女の顔を見つめた。
月明りも霞むこの白く四角い部屋の中央に、彼女は彫刻のように立ち尽くす。
壁と同じように真っ白いシーツの色を映して、元より白い顔はさらに青ざめて見えた。
「…どうしたの」
ハンモックから身を乗り出して、腕を伸ばせば白い手が僕の指を捕らえた。
弱い力でただ指と指をからめて、泣きだしそうに歪んだ瞳がこちらに向けられる。
「眠れ、ないの」
その言葉に身を起して、ハンモックから飛び降りた。
このくらいの高さなら、別に翼を遣う必要はない。
はじめはもっと高い位置に吊るしていたハンモックだけど、彼女との距離が遠いからやめた。
勝手に位置を変えた僕を見て、あの時彼女は心底から驚いたように眼を丸くして。
それから楽しそうに笑って、低くなったハンモックに触れた。
僕にとっては、君の笑顔こそが『正解』だったんだ。
きし、と微かにハンモックが鳴いた。
「ごめ、んね。起して…」
震えて、許しを求めるような声。
眠れない夜に置いてきぼりにされて、一人ぼっちで耐える君。
それを放っておくなんて、到底僕には不可能だ。
「おいで」
腕を広げれば彼女は漸く瞳を潤して。
抱きしめたまま、ハンモックの上に引きずり上げる。
二人分の重さでゆらゆら揺れて、まるでそれはゆりかごを模しているよう。
「ここに居るよ、僕は」
「…うん」
「怖がらなくていいよ」
「うん、」
囁く言葉は四隅に蹲る闇に、溶けて、とけて。
少しでも君の心を晴らすのだろうか?拙い天使の戯言は。
抱きしめた腕の中。
君が安堵して息をこぼしてくれれば、僕の魂は救われるんだろう。
父なる神に赦されるよりも、僕はそれを救済と呼びたいんだ。
「…あのね、」
「うん?どうしたの」
「…ありがとう、」
花びらの笑顔を浮かべた君に、応えは返さず腕にだけ力を込めた。
(おやすみ、ベイビー。良い夢を)
亀更新ですみませんほんと…!
スランプってわけでもないんですがお話が書けない。
っていうかネタが浮かばない…!!
天使シリーズです。
毎回似たような話ばっかです。
でも楽しいんだ…!
仮想世界のネタはいっぱいあるんですけどね。
普通の、メインのやつらの話が書けないww
別に仮想世界の更新に力入れても良かったんですが、もう一話くらいかれとかのじょ(敢えてのひらがな)更新したかったので。
これで心おきなく?仮想世界書けます。
がんばるぞー。
…これ書いてないでやらなきゃいけないこといっぱいあるんですがorz
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