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書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ。お立ち寄りの際は御足下にご注意くださいませ。 はじめましての方は『はじめに』をご一読ください。
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    01 歪んだ鏡に手を伸ばし、未だに揺らぐ己と出逢う

    ※仮想世界。
    恐ろしく暗いので注意。



    ごとり、と。
    音がした、自分の後ろで。

    「…」

    振り返るのが、怖かった。
    嫌だ、振りむきたくない。
    けれども意志とは裏腹に、ゆっくりと首は後ろを向こうとする。

    「っひ、」

    息を呑む。
    嫌だ、違うこんなのは――嘘だ。

    視界に入ったのは、あかいろ。
    そこに浮かぶ、深緑のジャケット、白い腕、茶色い髪。
    転がった鉄パイプ。

    「かす…が…?」

    春日氷雨。
    ぴくりとも動かない、うつろな瞳だけこちらに向けて。

    「っ!!」

    思わず引いた足が、何かに当たった。
    見下ろせば、彼女と同じ服を着た、男。
    淡い茶色の髪が、ぷかぷかと冗談のように血の海に浮かぶ。

    冗談、だ。
    こんなの、タチの悪い。
    優は目を閉じて、けれど顔は生きた人間の色をしていない。

    「…う、そだろ…」

    ゆるり、目を向ける。
    壁際、ごろりと転がっている、むくろ。
    白いカッターシャツが赤黒く染まって、それはまるで彼の瞳の色のよう。

    「れ、ん…」

    蓮。
    汚泥に咲く花の名前。
    けれどその名を持つ彼が、横たわるのは生臭い赤。

    どうしてどうしてどうして。
    どうして、こんなことに。

    叫びだしたくて目を閉じた。
    頭を抱えようとして、ようやく己の手に在るモノに気付く。

    「…っ」

    二丁の、銃。
    それは、彼のもの。
    鳥海青の、武器。

    顔を上げた。
    そうして青ざめる。

    血の匂いで気付かなかった。
    けれど確かに香るのは、馴染んだ硝煙の。

    「…嘘だ、」

    氷雨も、優も、蓮も――銃殺、されている。
    首、腹、心臓。
    撃ち抜かれて血を溢れさせて、冷たくなった。
    それをしたのは、 自、  分 ?

    「――ヒトゴロシ、」

    不意に、甘い声がした。
    聞き覚えのある声。
    目を向けると、見知った顔がもうひとつ。

    「かぜひめ、」
    「ヒトゴロシ」

    風姫はそう言って、笑う。
    青の知らない顔で。
    薄く淡く、冷めた笑みを浮かべて。

    真っ白いセーラー服、腹の部分が真っ赤に染まる。

    「風姫っ」

    呼ぶ声に、にっこりと笑って。
    もう一度、彼女はくちびるを開いた。

    「青くんの、ヒトゴロシ」




    「っ!!」

    は、と。
    目が覚めた。
    同時に跳ね起きて、血のにおいを探す。

    「…んだ、よ…夢か…」

    探した匂いがないことと、ぐっしょりと汗をかいていることに気付く。
    嫌な夢をみた、と思う。
    耳の奥、まだ彼女の声が残っている。
    ヒトゴロシ――そう言って、彼女は笑った。

    「…人殺し、か」

    それを否定する言葉は、自分にはない。
    紛れもなく自分は人を殺したし、これからも殺していくのだろうから。

    嗚呼、嗚呼。
    そんな自分が、平穏を望むことがそもそもの間違っていたのだろうか。
    だったらもう触れない、そう思う反面、それでも縋りたい己に気付く。

    あの場所はあんまりに平和すぎて、優しすぎて。
    自分の影を浮き彫りにする。
    なのにそこに触れていたくて、痛くて痛くて。
    足掻く、ずっとずっと、苦しいくらいなのに。

    「…」

    開いたてのひら。
    まだ、銃を握っていた感覚がある。
    背筋が冷えて、耳鳴りが酷い。
    いつか、これを、向ける日が来るのだろうか?


    ああだけど、もしもそんな日が来たとしても。
    彼らに向けるくらいなら、俺は迷わず己の頭に向けようと。

    早く明日になればいい、と思う。
    そうしたらこんな夢、忘れてしまえるのに。

    再びもぐりこんだ布団は、やけに冷たくて身震いした。

    (01 歪んだ鏡に手を伸ばし、未だに揺らぐ己と出逢う)




    お題消化ー。
    書き終わってから慌てて探したので、あんまりお題に合ってません(笑)
    とりあえず青にしてみた。
    こんなん書いてますけど愛はあります、本当です。
    って言うか愛しかありません。

    次はもうちょっと明るいの書こう…ほんとは普通のシリアスが書きたかったんだ、こんなに暗くするつもりはなかったんだ…。

    色々、すみませんでした(土下座)
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    祈月 凜。
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    性別:
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    1990/10/10
    職業:
    学生。
    趣味:
    物書き。
    自己紹介:
    動物に例えたらアルマジロ。
    答えは自分の中にしかないと思い込んでる夢見がちリアリストです。
    前向きにネガティブで基本的に自虐趣味。

    HPは常に赤ラインかもしれない今日この頃。
    最近はいまいちAPにも自信がありません。
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