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※告知というか、予告というか。
「あ、」
転がり落ちた上履き。
買ったばかりみたいに真新しいそれを拾い上げる。
差し出すと、にこりと笑い顔。
「どうぞ」
「ありがとう」
シンデレラみたいだ。
落としたのはガラスの靴じゃないけれど。
白く淡く、ぼんやりと明るい踊り場。
埃っぽい空気に、視界がかすむ。
いまいち様にならない、薄っぺらな足音。
「何してるの?」
「神様と踊っているのよ」
ひらり、揺れるスカート。
重たげな冬服、紺色のセーラー服が不思議なほど似合う。
まるで、彼女の時間は止まっているかのよう。
「君の名前は?」
「春日 絆」
「…綺麗な名前ね」
眩しそうに彼女はそう言った。
切り取られた小さな空間に、クロノスは呼吸を止める。
動かない時計の針、シンデレラは笑うだけ。
「君は?」
「菅原 雪姫。せつ、って呼んで?」
真っ白い雪。
真っ白い記憶。
確かにそこにあったのに、もうおぼろげにしか思い出せない。
それでも手繰る記憶の糸、その向こう側は空っぽの海。
砕けたレンズの硝子片だけが、沈む、沈む。
「さよならシンデレラ」
凍てつく冬の日。
神様は、酷く気まぐれなものだと知った。
『階段の神様。』
そんな感じで予告をしてみる。
むかーし書いてた『真夏のシンデレラ』というお話の、リメイクというかリサイクルというか…だいぶ中身は変わってしまうけれども。
だってもう季節からして真逆だもんね…!!
お気づきかもしれませんが主人公の絆くんはカノジョ、氷雨の弟です。
見た目はあんまり姉には似てないです。
きずな、と読みます、そのままです。
姉にはいまいち頭が上がりません。
女の子は菅原 雪姫さん。
読み方はせつき。
「セツコ(@火垂るの墓)」とからかわれるのが目下の悩み(どうでも良い補足)。
そんな訳で、のんびり付き合っていただけると嬉しいです。