※メモともこばなしともつかない、世界のどこかで誰かが呟いた独り言。
大事な人に巡り合えた奇跡を、いったい誰に感謝すればいいのかを彼女は知らない。
優しい人に、その人の見る景色がうつくしく在るようにと祈らずにはいられない人に。
出逢えた素晴らしい一瞬を、誰に向かって感謝すればいいのか分からなかった。
神様に感謝したら。
彼女の母はそう言った。
けれど彼女も、そしてその母親も、さほど神様を信じてはいないことに気付いて苦笑する。
そこに感謝をささげるのは、もし居るとしたらその神様にだって失礼な話だ、と呟く。
それでも、誰かに、何かに。
感謝の言葉を言いたかった。
どうしてこんなにも、自分の周りには優しい人がいるのだろうと考えた。
あんまりにも幸福で、得難いと思っていたから。
何を語る時よりも真っ直ぐに、彼らについて彼女は大好きだと叫べる。
その人たちと縁を繋げたことは、彼女にとっては紛れもなく宝物だ。
考えると穏やかに心音が落ち着く、そんな宝物。
神様に感謝をするのが可笑しいというならば。
ならば、と呟く。
ならば、自分は。
彼らと、わたしの世界に感謝をしよう。
縁を繋いでくれた、愛しい彼らに。
彼らが大切だと知っている、己の世界に。
たくさんの愛と、感謝を捧げよう。
どうかどうか、明日彼らが見る世界が優しく在ればいい。
ちっさいメモ。
どっちに分類していいか分からなかったので、とりあえず小話に。
ちょいちょいこういうのがあるんですが、その度に実は悩んでます(笑)
大事すぎてどうふれたらいいのか分からないくらいに、好きなのですよ、というお話。
相変わらずぶきっちょな人々を描くのが好きです。
でもなんか、そういう一生懸命な人が幸せだったら良いなぁ、と思います。
目指せ世界平和!!(壮大だなおい)
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