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※彼と彼女。
ちょっと彼が女々しい←です。
僕は。
猫になりたい。
そう言うと君は笑う。
「どうして?猫になったら、こうやって抱きしめたり、キスもできないよ」
確かにそうだねと、僕も笑う。
納得したふりをして、少しだけ困ったような表情で。
抱きしめる腕に力を込めると、君はくすぐったそうに笑うから。
もちろんこの居場所だって愛おしいよ。
安堵しきった顔で君が眠る、それを眺められるのは僕だけで。
分かっているけれど、それは時折酷く切ない。
「あたしは君が好きだよ」
そう囁く君の言葉に、嘘がないことくらい分かってる。
僕が好きだと君は告げて、だからこそ触れさせない部分を作ろうとする。
それは、あまりに優しい傲慢だ。
「僕も、好きだよ」
嗚呼、だけど、だからね。
僕はやっぱり、猫になりたいと思うんだ。
そう、猫になったら。
理由すらなくただ君の傍に居られる。
擦り寄って、高い体温を分け与えて。
軽い声で数度鳴いて、ざらざらした舌先で涙を掬おう。
そうして君が泣き止むまで、じっと見守っていてあげられる。
君が僕にだけ作る柔らかな壁、一肢で飛び越えて愛を鳴く。
優しい君の脆い嘘、見透かしてそれでも、傍に居よう。
「(…あぁ、それに)」
隠すように、わらう。
薄く淡く。
猫になって、君に飼われるのだって。
僕にとっては素晴らしい日常で在ることに変わりはないんだ。
赤い首輪はないけれど、繋ぐ鎖は君の手に。
猫の首輪って赤のイメージですが、昔うちで飼ってた猫はピンクの首輪してました(関係ない)
ちなみに「猫になりたい」はスピッツの曲から。
良い曲です、ニコニコで探すと良いと思うよ!(なんの宣伝)