※仮想世界に捧げもの。
次男と少年。
詳しくは椎さん宅でチェック!
食事は、イキモノを食べることに等しい。
イキモノ、生きていた、モノ。
それが死んで、殺されて、食卓に並ぶ。
「――っ」
食えない、と思ってしまったのはどうしてか。
一度そう思ってしまったら、今まで普通に食べられていた肉が、突然恐ろしいものに変わった。
色彩を奪い、世界をぐらぐらと揺らして。
俺を、人を殺すことを生業とする俺を、苛む。
これは、イキモノだった、もの。
それが、死んで――ころされ、て。
食べ物とか、そういう話じゃない。
俺は、イキモノを、食っている。
そうして、俺が昨日殺したのは――。
「…ねぇ、」
「…んだよ」
いつもの朝。
相変わらず、能天気な声。
けれどその声に、少しだけ現実を思い出す。
「おはよー」
「…あぁ、」
小さく返す。
ようやく「ひと」に見えるようになり始めた顔を、少しだけ横目で確かめながら。
感じたのが安堵だなんて、気付かないフリで見逃した。
「…どうしたの?」
普段ならば、うすらぼけた笑顔で勝手に喋っていくくせに、今日ばかりは勝手が違って。
奴は俺の顔を覗き込むように見つめて、首をかしげた。
その様子は弟がやる仕草に少しだけ似ていて、だから油断したのかもしれない。
「…なんか、おかしいか」
「うん」
縋るように問うてしまったのは、計算外。
そして、あっさりと返されたのも、予想外だった。
笑顔を引っ込めたまま、奴はじっと俺を見つめる。
「顔色が悪いね。それに少し、痩せた?」
「…寝てねーから」
「そっか」
寝てないのは、本当。
だけどそれ以外にも、ロクに食事を取っていないのも、原因。
分かっちゃいたけど、どうしようもなくて足掻きようもない。
自分の神経がこんなにも細かったなんて、と自嘲がもれる。
「…君さ」
「あん?」
振り返る。
奴は少しだけ、笑う。
「結構無茶するタイプだよね」
「…うっせーよ」
「でもたまには、休憩しなきゃ」
「!?」
そう言って、いきなり放り投げられたのはいわゆるゼリータイプの携帯食糧。
買ってから時間がたつのだろう、少しぬるくなっている。
「…なに、」
「あげるよ。それ飲んで、ちょっと栄養つけなよ」
「おい、」
「それじゃ、僕行くね」
返事も待たずに向けられた背中。
黄緑の髪が遠くなる。
一瞬迷ったけれど、追いかけるのも億劫だ。
諦めて、もらったばかりのゼリーのキャップをひねる。
「…あま、」
舌に広がる、人工的な甘さ。
これは、イキモノとは無縁だ。
疲れきった胃に、ゆるゆると落ちていくのが分かる。
小さく息を吸って、吐いて。
それから、ようやく目を伏せる。
開いた時、もしかしたら世界は少しだけ色を取り戻しているのかもしれない。
(春の邂逅)
椎さんのとこで新しく出てきた男の子に、思わずときめいて勢いだけで書き上げました。
快く受け取ってくれるということなので、椎さんのみお持ちかえり可です!
昨日はミーティングでいっぱいネタが出ました。
ので、書くぞー!
夏休みの宿題ですからねっ
皆さん是非椎さんのとこに行ってチェックするべきだと思うんだ、うん←
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