※彼と彼女。
ほぼ実話。
「友達のお姉さんの話らしいんだけどね」
床に座って熱心に借り物のパズルを組み立てていた彼女が、思いだしたように呟いた。
明瞭な声は本の世界に沈んでいた僕の意識を、驚くほど快く引き上げる。
「うん?」
「友達のお姉さん。大学に電車で通ってるんだけど」
「うん」
「こないだね、告白されたんだって」
そこで一度言葉を切って、彼女は笑う。
「『一目ぼれでした、付き合ってください』って、初めて会った人に」
「へぇ…それはまた」
「あたしも聞いたとき吃驚した。あるんだねー、そういうことって」
そんなことって、本当にあるんだと少し驚いた。
一目ぼれ、ドラマや物語の中だけの出来事だと思っていたけど。
それにしても、恋に落ちてすぐさま行動に移せた彼はすごいと思う。
「それで、結局どうなったの?」
「それがねー、今その二人、付き合ってるんだって」
「一目ぼれの彼と?」
「そう、」
それはさらに凄い。
笑うと、彼女も微笑む。
その手からパズルの欠片を取り上げて、三分の一ほど埋まった絵にひとつはめた。
四隅は埋めてしまったから、これからが難しいところ。
完成したときにどんな絵になるのかを、僕は知らない。
うっとりと、彼女はまどろむような表情で顔を上げた。
「なんか良いよねー、そういうの。それってものすっごく、大事にされてる感じがする」
「あぁ…絶対的に、惚れた方が弱いからねぇ…」
「愛されてるーって感じ。ちょっと素敵」
…何言ってるの、僕だって。
世界中のだれよりも、大事にしてるつもりなんだけど?
「どうしたの?」
「…ううん、別に」
読書の邪魔をされても、怒られないのは君くらいだよ。
僕がたやすくパーソナルスペースを赦すのは、君だから。
「…(愛されてるよ、十分に)」
言おうと思ったけど、照れくさいからやめた。
確実に弱いのは僕の方、なんて、君はずっと知らなくて良い。
…ほぼ実話です(笑)
友達の友達が、そういう告白をされたそうですよ。
そしていま二人は付き合ってるらしい。
…すげぇ!と純粋に思いました、ほんとに。
黄金週間が終わってしまった…!
最後の二日間は、結局熱で寝込んでました、残念すぎる。
今は薬が効いてるからちょっとだけ落ち着いてて、頭もそれなりに回ってる…かな?
でも体力が追い付きません(じゃあ早く寝ろよっていう)
ほんとは書きたいものもいっぱいあったし、書かなきゃいけないものもあるんですが。
とりあえずは、このお話だけあげときます。
あ、ちなみにパズルはカノジョが貸してくれたそうですよ(笑)
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